さつま(町)(読み)さつま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「さつま(町)」の意味・わかりやすい解説

さつま(町)
さつま

鹿児島県北部、薩摩郡(さつまぐん)にある町。2005年(平成17)薩摩郡宮之城町(みやのじょうちょう)、鶴田町(つるだちょう)、薩摩町が合併して成立。周囲を出水(いずみ)山地、薩隅(さつぐう)山塊などの山々に囲まれる。町の中心部を北東から南西方向に川内川(せんだいがわ)が貫流し、流域盆地が形成される。川内川には、洪水調整と発電のための鶴田ダムが建設され、北隣の伊佐(いさ)市にまたがる人造湖の大鶴湖(おおつるこ)ができた。薩摩川内市と伊佐市を結ぶ国道267号、薩摩川内市と出水市を結ぶ国道328号、出水市と霧島(きりしま)市を結ぶ国道504号が、町の中央で交差。かつては国鉄宮之城線が通っていたが、1987年(昭和62)に廃線となった。旧宮之城駅跡や薩摩永野(ながの)駅跡には鉄道記念館が建つ。おもな産業は農業で、稲作のほか、茶の栽培、畜産が盛ん。特産に竹製品がある。日本特殊陶業のさつま工場が立地。近世には宮之城島津家領などで、居城として麓(ふもと)が置かれていた。同家の菩提寺宗功寺(そうこうじ)の寺跡の一角には、宮之城島津家累代の33基の墓石が並び(この墓地は県指定史跡)、一帯は宗功寺公園として整備されている。町の北東部にそびえる紫尾山(しびさん)(1067メートル)は北薩地方第一の高山で、古くから信仰の対象であった。現在は山頂まで車道が通じ、山麓には「神の湯ふれあい公園」「きららの里公園」の各キャンプ場もある。面積303.90平方キロメートル、人口2万0243(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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