ざっくり

精選版 日本国語大辞典 「ざっくり」の意味・読み・例文・類語

ざっくり

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 大胆に物を切ったり、割ったり、突き刺したりするさまを表わす語。
※虎明本狂言・連歌毘沙門(室町末‐近世初)「まんなかからざっくりとふたつにわる」
② 切り口や割れ目などが深くえぐられたり、割れたりするさまを表わす語。
月暈(1953)〈島尾敏雄〉「ざっくりひどい傷口があった方が」
③ 金や米、小石などをつかんだり、踏んだりしたときに、それらの触れ合う音を表わす語。また、金銭などの量の多いさまにもいう。
※雑俳・柳多留‐二〇(1785)「ざっくりとつかんだ所を母おさへ」
衣服などを無造作に着ているさまをいう語。
※雑俳・折句袋(1779)「ざっくり女房着の儘の春」
布地などの手ざわりや織り方、編み方が粗くて厚みの感じられるさまをいう語。
※或殺人(1962)〈森茉莉〉「寝台掛布(ベッドカバー)淡黄のざっくり編んだやうな織物である」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ざっくり」の意味・読み・例文・類語

ざっくり

[副](スル)
力を込めて一気に切ったり割ったりするさま。大きく切れ目を入れるさま。「キャベツざっくり(と)切る」「布地にざっくり(と)はさみを入れる」
深くえぐれたり、大きく割れたりするさま。「ざっくり(と)割れたスイカ
大ざっぱなさま。全体を大きくとらえるさま。おおまかに。「取りあえずざっくりとしたところだけでも決めておこう」「ざっくりとした話し合い」「要旨ざっくりととらえる」
金・米・砂などを、大量に、また、無造作につかんだりすくったりするさま。「砂利ざっくり(と)すくう」
紙入の中を―と掴んだ」〈鏡花婦系図
上着などを無造作に着るさま。「ざっくり(と)着こなす」
編み物などの、編み目や手ざわりなどが粗く厚みを感じるさま。「ざっくり(と)したセーター
[類語]ちょきちょきちょきりちょきんざくりばっさりちょんじょきじょきざくざくすっぱりさくさくざくふっつりぷつんぷっつりぶっつりぷつりさっくり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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