しぶり腹(読み)しぶりばら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「しぶり腹」の意味・わかりやすい解説

しぶり腹
しぶりばら

単に「しぶり」ともいい、テネスムスtenesmusの訳語で、古くは裏急後重(りきゅうこうじゅう)とよんだ。直腸炎赤痢など炎症性の刺激によって直腸が過敏状態になり、便がすこしたまっただけで肛門(こうもん)の筋肉けいれんする肛門しぶりをさす。便意疼痛(とうつう)を伴い、頻発するが、排便はほとんどないか、まったくみられないため、排便終了感もない。

 なお、これと同様な状態が尿意にみられるものを膀胱(ぼうこう)しぶりという。

[岡島邦雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「しぶり腹」の意味・わかりやすい解説

しぶり腹
しぶりばら
tenesmus

裏急後重 (りきゅうこうじゅう) ともいう。直腸炎や赤痢などにみられる症状で,しばしば強い消化管の疼痛を伴って便意を催すが,肛門括約筋のけいれんのため,少量の排便をみるのみで,すぐにまた便意を催す状態をいう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android