します

精選版 日本国語大辞典 「します」の意味・読み・例文・類語

します

〘助動〙 (活用は「しまさ・しまし・します・します・しませ・しませ」。四段活用の未然形に付く) 尊敬の意を表わす。中世から近世にかけて用いられた。→さします
七十一番職人歌合(1500頃か)六番「はりまなべかはしませ」
浄瑠璃信州川中島合戦(1721)三「本心まがった釣針に、釣らるる勘介ではおじゃらしませぬわいの」
[語誌](1)敬意は低い。「します」と「さします」が一対のことばとして、前者は四段活用系の動詞後者は一・二段活用系の動詞の未然形に続けて用いられる。室町時代には「せます」の形も見られるが、「します」の方が多い。
(2)「ます」については丁寧語「ます」とも説かれるが、「します」の活用が四段活用であるところから丁寧語ではなく、尊敬の助動詞「す」の連用形「せ」が尊敬の補助動詞「まします」(四段)あるいは「おはします」(四段)に続いて「せまします」「せおはします」となり、さらにそれが縮約されて「します」が生じた、と考えるべきもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「します」の意味・読み・例文・類語

します[助動]

[助動][しまさ|しまし・しまっ|します|します(しまする)|○|しませ]《尊敬の助動詞「す」の連用形に尊敬の補助動詞「おはします」の付いた「せおはします」の音変化》四段・ナ変・ラ変動詞の未然形に付く。尊敬の意を表す。…なさる。お…になる。
「くどい事を言はします」〈虎明狂・河原太郎
[補説]中世から近世にかけて用いられた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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