じっと

精選版 日本国語大辞典 「じっと」の意味・読み・例文・類語

じっ‐と

〘副〙
① 体を動かさないで静かにしているさまを表わす語。
申楽談儀(1430)よろづの物まねは心根「舞止むる時の扇は、〈略〉じっと止むる也」
② 力をこめて押したり引いたり締めつけたりなどするさまを表わす語。ぎゅっと。
※六物図抄(1508)「四鉢を取てかさねて左手に置て右手にてじっとをし合」
③ がまんしながら静かにしているさま、堪え忍んでいるさまを表わす語。
※土井本周易抄(1477)三「地の中へはいってじっと止息してをるぞ」
④ 深く静かに考えこむさまを表わす語。つくづく。つらつら。よくよく。
※大学垂加先生講義(1679)「これをかうせふずとぢっと心に覚悟するところ、意思などと云義にて、力の入る思入なり」
視線をそらさないで、物をよく見つめるさまを表わす語。つくづく。
※玉塵抄(1563)八「帝の左右の臣をじっとみていわしむたぞ」
[補注]かなづかいは、古くは「じっと」が多く、江戸期から明治にかけて「ぢっと」も多くなる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「じっと」の意味・読み・例文・類語

じっ‐と

[副](スル)
動かないで、そのままの状態を保つさま。「家でじっとしている」
視線や心などを集中して、よく見たり考えたりするさま。つくづく。「相手の顔をじっと見つめる」「じっと考え込む」
心を抑えてがまんするさま。「非難じっと耐える」
力をこめて、押したり引いたり踏んだりするさま。ぎゅっと。
陳平が高祖の足を―踏んだぞ」〈蒙求抄・四〉
[類語](1つくねんどっかと凝然/(2じろりきょときょときょろきょろぎょろぎょろじろじろきょろりぎょろりまじまじしげしげつくづくはたきっとはった明視がん熟覧細見嘱目しょくもく瞠若どうじゃく瞠目どうもくめつすがめつの目たかの目のみ取りまなこ視一視目する見入る見張る見澄ます目を凝らす注目虎視虎視眈眈たんたん注視刮目かつもく目配り凝視目撃着目着眼直視正視見る眺める見遣る見詰める見据えるにら目に留まる目を留める目を配る目を注ぐ目を付ける目を向ける目をくれる視線を注ぐ目を遣る目にする目を据える瞳を凝らす瞳を据える目を奪われる目を輝かす目を光らす目を転ずる目を向ける目が行く目を皿にする

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