鋤床(読み)すきどこ(英語表記)plowsole
plowpan

改訂新版 世界大百科事典 「鋤床」の意味・わかりやすい解説

鋤床 (すきどこ)
plowsole
plowpan

農作業に伴う人や牛馬,農業機械などによる荷重のために,作土直下に発達する圧密された土層をいう。圧密は荷重によるほか,作土物質が落下して下層土の空隙(くうげき)をうずめることにもよる。耕盤または犂底盤(りていばん)ともよばれる。したがってすき床は,直上および真下の土層よりも容積重が大きく孔隙率が小さい。日本では,とくに水田土壌の透水性と地耐力に関連してすき床が注目される。排水のよい水田ではすき床が漏水を抑制していることが多く,そのため漏水田地帯では開田の際に床締めと称してブルドーザー転圧などにより人為的にすき床が造成される。また強湿田地帯は地盤が軟弱であるが,地下排水によりしだいに固く締まったすき床が発達し,農業機械の導入が可能になる。一方畑作物にとってすき床は,根の伸長を妨げ,過湿・過乾の障害を招きやすくするなど好ましいものではない。したがって発達したすき床は,深耕して取り除かれる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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