すっぱり

精選版 日本国語大辞典 「すっぱり」の意味・読み・例文・類語

すっぱり

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 一刀のもとに見事に切り放すさま、物を真二つに切り分けるさまを表わす語。
※虎明本狂言・鱸庖丁(室町末‐近世初)「刀ばやに、はあ、すっはりすっはりとつくりすまひて」
浄瑠璃源平布引滝(1749)三「取んとするを袈裟にすっぱり」
② 気分などに滞るところのないさまを表わす語。きれいさっぱり。また、気性・性格など、思いきりがよくさっぱりとしているさまを表わす。
歌舞伎・毛抜(日本古典全書所収)(1742)「すっぱりと手短かな返事したがよい」
※月に吠える(1917)〈萩原朔太郎〉さびしい情慾・五月の貴公子「ああすっぱりといっさいの憂愁をなげだして」
③ ある状態に完全になりきるさまを表わす語。完全に。ことごとく。すっかり。
※浄瑠璃・神霊矢口渡(1770)四「三人ながら此中元手、すっぱり負て仕舞ました」
④ 男女の仲のこまやかなさまを表わす語。しっぽり。
※歌舞伎・戻橋脊御摂(1813)大切「今までどこかの色男と、すっぱり茂ってやうやうと」
⑤ よく似ているさまを表わす語。そっくり。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「すっぱり」の意味・読み・例文・類語

すっぱり

[副]
鮮やかにものを切るさま。すぱっと。「すっぱり(と)切り落とす」
思い切りよく実行するさま。きっぱり。「すっぱり(と)タバコをやめる」
心中にわだかまりがなく、快いさま。さっぱり。すっきり。
「本当に胸のうちが―としたくらいだった」〈堀辰雄・かげろふの日記
ある状態になりきるさま。すっかり。
「らしゃのまんてるに、ずぼんなんぞで、―西洋風になってしまったぜ」〈魯文安愚楽鍋
[類語](1ちょきちょきちょきりちょきんざくりざっくりばっさりちょんじょきじょきざくざくさくさくざくふっつりぷつんぷっつりぶっつりぷつりさっくり/(2すぱっとずばっと一気にひと思いに思い切って

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