すらり

精選版 日本国語大辞典 「すらり」の意味・読み・例文・類語

すらり

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 刀などを滞りなく一息に抜くさまを表わす語。
※俳諧・桜川(1674)夏「十市にや夕たちすらりさやはしり〈保之〉」
※滑稽本・八笑人(1820‐49)初「編笠をとって捨金貝ばりをスラリとぬく」
② さしさわりなく事が運ぶさま、つかえずにすむさま、素直で滞らず、気持のよいさまを表わす語。
※中華若木詩抄(1520頃)上「一二の句より、三四の句まで、すらりと、一すぢに作る、妙なり」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「傍の坐舗(ざしき)障子がスラリ開いて」
③ 人の立ち姿が背丈のわりに肉がなく、やせてほっそりして恰好(かっこう)の良いさま、また、背丈の高くのびやかなさまを表わす語。
※玉塵抄(1563)四八「身のたけすらり長してみめの好を云ぞ」
④ ある動きが一連のもののすべてにわたってすばやく及ぶさま、軽快に動くさまを表わす語。
※史記抄(1477)一五「土崩は世界がすらり崩ぞ。瓦解はちつと破ぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「すらり」の意味・読み・例文・類語

すらり

[副]
刀などを一気に抜くさま。「太刀すらりと抜き放つ」
物事が滞りなく進むさま。
「いくらか透いていた障子を―と開ける」〈鏡花婦系図
すらっと」に同じ。「すらりと伸びた手足

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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