すんと

精選版 日本国語大辞典 「すんと」の意味・読み・例文・類語

すん‐と

〘副〙
物事に対して、関心やあたたかみのない冷たい態度をとるさまを表わす語。すげないさま。そっけないさま。つんと。
説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)八「いたるざしきを、すんとたち、あのをくりと申するは、むまでころさうとすれど、ころされず」
浮世草子・好色万金丹(1694)二「さうした事はなりませぬと、素(スン)とした顔つきに」
② 物事に対して、内心では関心がありながら表面的に関心のないふりをするさまを表わす語。つんと。
※浮世草子・御前義経記(1700)三「嬉しさの身に余ほど今義、観了が手前をはばかり、すんとした目遣はしに雲かかるよそほひ」
③ 物のしなやかで、はりのあるさま、身のこなしがすっきりとして、玄人らしいさまなどを表わす語。
評判記・役者大鑑合彩(1692)玉井半太夫「かほ立すんとして見まがふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「すんと」の意味・読み・例文・類語

すん‐と

[副]
とりすまして人を寄せつけないさま。そっけなく振る舞うさま。つんと。
「をかしき事を笑ひ、腹立つ事は―した顔」〈浮・新色五巻書・四〉
身のこなしなどがしなやかで、すっきりしているさま。
踊り子の―して又やさしきは」〈浄・矢口渡

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