せせくる(読み)セセクル

デジタル大辞泉 「せせくる」の意味・読み・例文・類語

せせ‐く・る

[動ラ五(四)]
手でいじりまわす。せせる。
小鼻の脇を指先で―・りながら」〈三重吉小鳥の巣〉
落ちつかないで、せかせかする。
「雨を請ひて―・り歩いて」〈四河入海・一〉
身体をすり付ける。
「どうぞいのと―・り寄りて問ひかくる」〈浄・栬狩剣本地
男女がふざけあう。いちゃつく。
「勘平めと―・ってゐるところを」〈浄・忠臣蔵

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「せせくる」の意味・読み・例文・類語

せせ‐く・る

〘他ラ五(四)〙
① もてあそぶ。なぐさみものにする。また、男女が戯れる。いちゃつく。せせる。
浄瑠璃仮名手本忠臣蔵(1748)三「なんとおかる恋の智恵は又格別、勘平めとせせくって居る所を、勘平勘平旦那がお召しと呼んだはきついか、きついか」
② 手でいじりまわす。もてあそぶ。せせる。
千鳥(1906)〈鈴木三重吉〉「鼻の痘痕小指の爪でせせくって坐ってゐるやうな気がする」
③ 休まず動く。せかせかと動く。せかせかともて扱う。
※胡琴教録(13C初)下「比巴は大意、箏のことばをきやすべからず。仍せせくらで大粒に可弾也」

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