デジタル大辞泉
「そんじょう」の意味・読み・例文・類語
そん‐じょう〔‐ぢやう〕
[語素]事物・場所・時・人などについて、具体的な名をあげずに示すのに用いる。「その」「それ」「いつ」「だれ」などの上に付いて、語の意味を強める。そんじょ。
「その外は―その頸、その御頸」〈平家・一〇〉
「―それこそ、昆布売りに行き会うて」〈虎明狂・昆布売〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
そん‐じょう ‥ヂャウ
〘
語素〙 事物、場所、時、人などについて、具体的な名をあげず、また不確定に指示するときに用いる語。「何」「いつ」「だれ」「その」「そこ」「それ」などの語に先立って「名はささないが、いつとは言えないが」等の意を表わし、
中世以降用いられた。そんじゃ。そんじょ。そんじょうそこ・そんじょうそこら・そんじょうその・そんじょうそれ・そんじょうそれがし。
※
浮世草子・男色十寸鏡(1687)上「そんじゃう何とまうす人などと、人の上かたらぬぞおくふかし」
[
補注]
語源については「それといふ」が、「それてふ」から「そ
ンでふ」さらに「そんぢゃう」となったという説(
谷川士清・
湯沢幸吉郎)、中世の僧侶書簡に用いられた「
尊丈足下」の「尊丈」から転じたという説などがあるが、様子・
程度などを表わす「定
(ぢゃう)」に「その」が付いた「そのぢゃう」から転じたとみるのが
妥当か。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報