朝日日本歴史人物事典 「たけ」の解説
たけ
生年:文化11(1814)
江戸後期に生き,「女子の所業」を嫌って男装した無宿者。天保3(1832)年男装をたねに脅迫されて,脅迫者と密会し,妊娠,出産する。その直後に小盗みで逮捕された。入墨のうえ,男装を禁止される。以後「悪事」はしなかったが,5年後,見かけたゆすりの男を腕力で取り押さえた際,役人の手先を名乗ったことなどで逮捕。身分を偽ったうえに,禁止を無視して男装を続けていたことが「人倫を乱」したとして,遠島となり,鍛冶を職としつつ翌年,八丈島で病死した。<参考文献>石井良助編『御仕置例類集』,関民子『江戸後期の女性たち』,林玲子『女性の近世』
(関民子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報