たこ(凧)(読み)たこ

百科事典マイペディア 「たこ(凧)」の意味・わかりやすい解説

たこ(凧)【たこ】

風圧を利用し,糸をつけて空中に飛揚させる紙張りの玩具(がんぐ)。竹や木の骨で長方形,ひし形,奴(やっこ)形などに作り,表面に絵や文字をかく。とんびだこ,飛行機だこなどの形もあり,名称も京阪地方の〈いか〉,長崎の〈はた〉などさまざまで,また英語では〈トビ〉を意味するカイトkiteなど,空を飛ぶものを表す名称が多い。日本には中国から渡来,江戸時代以後正月の遊びなどとして続いている。遊びとしてのたこ揚げが盛んになるのは17世紀に入ってからである。まず,大坂(大阪)ではやりはじめたたこ揚げは,すぐに江戸に伝わり,禁止令が出るほど流行した。たこを正月に揚げるのは江戸の風習で,藪(やぶ)入りの日であった1月15,16日。大坂では2月初午の日が中心。こんにちでも,長崎は4月,浜松は5月,白根(新潟県)は6月,沖縄は10月にたこ揚げが行われている。ヨーロッパでは〈ボックスカイト〉と呼ばれる立体形のたこが発達している。また,米国で開発された〈ゲイラカイト〉が1975年に日本に輸入され,人気を呼んだ。こんにちでは〈スポーツ・カイト〉による競技会も開催されている。

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