たて座(読み)たてざ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「たて座」の意味・わかりやすい解説

たて座
たてざ / 楯座

夏の宵の南の中天、いて座の北の、天の川がひときわ濃くなった部分にある小さな星座。17世紀のドイツの天文学者J・ヘベリウスが設定したもので、もとは「ソビエスキーのたて座」とよばれていた。1683年9月12日、トルコ大軍ウィーンに迫ったとき、これを撃破したポーランド王ヤン3世ソビエスキーの武勇を記念するとともに、キリスト教徒勝利を永遠に伝えるためヘベリウスが星座としたものである。明るい星はないが、散開星団M11、変光星Rなど双眼鏡で楽しめる天体がある。

[藤井 旭]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「たて座」の意味・わかりやすい解説

たて座
たてざ
Scutum

楯座。概略位置は赤経 18時 30分,赤緯-10°。 17世紀に J.ヘベリウスのつくった南天星座。8月下旬の宵に南中する。夏の天の川の中にあり,α星は 4.1等で目立つ星は少い。R星は周期 144日,おうし座 RV型の半規則変光星。散開星団 M11,M26および球状星団 NGC6712などが含まれている。

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