たでる(読み)タデル

デジタル大辞泉 「たでる」の意味・読み・例文・類語

た・でる

[動ダ下一][文]た・づ[ダ下二]
はれものを薬湯で蒸す。湿布する。
「股の所を白い湯でしきりに―・でて居る」〈漱石吾輩は猫である
虫害湿害を防ぐために、木造船の船底わらなどを燃やしてあぶる。
「船ヲ―・デル」〈和英語林集成

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「たでる」の意味・読み・例文・類語

た・でる

〘他ダ下一〙 た・づ 〘他ダ下二〙
冷水または温湯に浸した布を患部に当てて、炎症充血をとり去る。湿布する。〔名語記(1275)〕
※俳諧・鷹筑波(1638)三「顔をしかめてするはまんぞく かゆ瘡や思ひのままにたでぬらん〈一滴〉」
② (熮・) 木造船の船底を藁や柴などを燃やしてあぶる。船底材のなかの船食虫を殺すとともに、しみ込んだ水分をとり去って、船の寿命を長くし、船足を軽くするために行なう。船食虫のつきやすい海船では欠くことのできない作業である。
※俳諧・犬居士(1690)「月のあかりに舟焦(タデ)る浜〈鬼貫〉」
※江戸廻船たで所之儀並煙立之儀「諸廻船唯今迄は神奈川にて船底たで候に付」
弱点をつく。難じる。いじめる。
四河入海(17C前)八「義之は懐素にたでられて激してひっこうだが」

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