たぶたぶ(読み)タブタブ

デジタル大辞泉 「たぶたぶ」の意味・読み・例文・類語

たぶ‐たぶ

[副]
液体容器にあふれるほどに入っているさま。なみなみ。
宇都宮、(サカズキニ)―と受けて」〈伽・猿源氏〉
たっぷりとしているさま。また、ゆったりとしているさま。
後句ごくは、同音などにて、長々―と上げ流して、言ひ下すべし」〈能作書

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「たぶたぶ」の意味・読み・例文・類語

たぶ‐たぶ

〘副〙 (「と」を伴って用いることが多い)
① 水や酒などが容器に十分に満ちるさま、また、液体を容器に注ぐ時や、液体が容器の中で揺れる時などの音を表わす語。なみなみ。たぷたぷ。
雑談集(1305)三「打銚子に玄水をたぶたぶと入て」
ゆとりがあってゆったりとしているさま、のびやかであるさまを表わす語。ゆったり。
※三道(1423)「後句は、同音などにて、長々たぶたぶと上げ流して、云ひ下すべし」
信長記(1622)一三「敵たふたふと足軽を出し候ところを、池田が勢入ちがへみだれ合」
数量が十分にあるさまを表わす語。たっぷり。
筑波問答(1357‐72頃)「胸の中に句がおほく湧きて、たぶたぶと句ばやにし侍ける」
④ 太っているさまを表わす語。
※しのびね(1271頃)下「たふたふと肥えて、うつくしきまみのほど」

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