たりけり(読み)タリケリ

デジタル大辞泉 「たりけり」の意味・読み・例文・類語

たり◦けり

[連語]完了助動詞「たり」の連用形過去の助動詞「けり」》…ていた。…てしまったことだ。
「飼ひける犬の、暗けれど主を知りて飛びつき―◦けるとぞ」〈徒然・八九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「たりけり」の意味・読み・例文・類語

たり‐・けり

(完了の助動詞「たり」の連用形に過去の助動詞「けり」の付いたもの) 完了または継続した状態を回想していう。また、その状態にいま気づいたという気持を表わす。「たりき」に対して、感動的な語感が加わることが多い。…たのだった。…たのだ(なあ)。
万葉(8C後)一九・四二六八「此の里は継ぎて霜や置く夏の野に吾が見し草はもみち多里家利(タリケリ)
伊勢物語(10C前)二四「今宵あはむと契りたりけるに、この男きたりけり」

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