だりむくる（読み）ダリムクル

デジタル大辞泉

だり‐むく・る

［動ラ四］
１ すっかり酔ってだらしがなくなる。
「どこの亭主もてんでんに―・るから」〈滑・四十八癖〉
２ 失敗する。しくじる。
「酒と博奕ばくちで―・り」〈伎・覗機関〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

だり‐むく・る

[1] 〘自ラ四〙

① 酔ってだらしなくなったり、ぶつぶつ小言を言うなど、くどくなったりする。行為にしまりがなくなる。失態を演じる。だりむく。だりむくれる。

※滑稽本・早変胸機関（1810）「ハテ誰しかもだりむくったあげくにやァ」

② 失敗する。破滅する。断絶する。

※歌舞伎・時桔梗出世請状（1808）四幕「何か武智様が、だりむくって、山崎からこの小栗栖あたりは、落武者が暗雲に通りまするて」

※歌舞伎・東海道四谷怪談（1825）大詰「殿様の屋敷がだりむくってから、此やうに歯磨売りで世を渡って」

③ 死ぬ。

※歌舞伎・彩入御伽草（1808）小平次内の場「まちんでも服ませて、だりむくらせてしまふわな」

④ 起伏がはげしくでこぼこする。

※歌舞伎・彩入御伽草（おつま八郎兵衛）（1808）序幕「これから先は道がだりむくるから、伝助、ころぶなよ」

[2] 〘他ラ四〙 失敗などをして、得意先や職などを失う。

※歌舞伎・勝相撲浮名花触（1810）序幕「わしが邸をだりむくった跡で」

出典　精選版 日本国語大辞典