ついと

精選版 日本国語大辞典 「ついと」の意味・読み・例文・類語

つい‐と

〘副〙
動作が突然行なわれるさまを表わす語。いきなり。ずいと。ぷいと。
咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)下「鞠を蹴るとて、何とかして懸(かかり)より外へついと越へ、大道へおつる」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「お勢はツイ彼方を向いて」
※女作者(1913)〈田村俊子〉「反抗がついと湧いてきた」
② 動作がすばやく、身軽に行なわれるさまを表わす語。さっと。すっと。→ついとする
浄瑠璃大経師昔暦(1715)中「取付く所を、ついと退(の)き」
青春(1905‐06)〈小栗風葉〉春「水鳥がツイと泳いで通ると」
③ 細くまっすぐにのび出るさまを表わす語。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)四「彼長竿がツイと出てゐるから」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ついと」の意味・読み・例文・類語

つい‐と

[副]
動作が突然行われるさま。いきなり。「談話中についと出て行く」
動作がすばやく行われるさま。さっと。ぱっと。「マッチついとさし出す」
[類語]がばとがばっとむっくとむっくりむくりすっくしゃんとしゃっきりすいとつとすっとさっとぱっとふとふっと不意にわかふいとひょっこり打ち付けぶっつけ出し抜け突然唐突短兵急急遽きゅうきょ忽然こつぜん俄然突如いきなりついついついひょっとひょいはた思わず思わず知らず思いがけずはしなくはしなくも図らず図らずもやにわに時ならずたちま卒然突発的発作的反射的やぶから棒青天の霹靂へきれき寝耳に水

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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