つがもない(読み)ツガモナイ

デジタル大辞泉 「つがもない」の意味・読み・例文・類語

つが‐も‐な・い

[形][文]つがもな・し[ク]
道理にあわない。とんでもない。
「―・い。詮ないこと、思い出しましたでがす」〈井伏・丹下氏邸〉
ばかばかしい。つまらない。
女房くつくつと噴き出し、ああ―・い」〈浄・女楠

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「つがもない」の意味・読み・例文・類語

つが‐も‐な・い

〘形口〙 (「つがなし」の強調語)
① すじみちがたたない。とんでもない。途方もない。むちゃくちゃである。
評判記赤烏帽子(1663)坂井掃部「つかもなき時詠哥大慨をひかるる、やさしとやいはん、くさきとやいはん」
② あってはならないことである。不都合である。
※雑俳・口三味線(1702)「つがもなき・願書やあらん愛染堂
③ ばかばかしい。くだらない。たわいもない。→ああ(嗚呼)つがもない
咄本・鹿野武左衛門口伝はなし(1683)下「さてさてつがもない事をきく人かな」
④ はなはだしくよい。この上なくすばらしい。
洒落本・真女意題(1781)「平のはつ茸がつがもなくありがてへ」
※洒落本・酒徒雅(1803)「つがもなく上手に成やしたね」

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