つけ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

つけ

歌舞伎独特の音響効果。歌舞伎の演技をきわだたせるため，舞台の上手 (向って右) わきで，拍子木のような2本の木 (→柝 ) で厚板を打って音を出すこと。闘争場面 (立回り) での刃物の打合う音，投げられたり斬られたりして倒れるとき，駆け足や歩行，落下のときなどに打ち，独特な用法では，演技者の心理的な高まりをみせる見得 (みえ) などに合せて打つ。つけを打つ人を「つけ打ち」，上方では「かげ打ち」，つけに用いる厚板を「つけ板」という。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典