てから(読み)テカラ

デジタル大辞泉 「てから」の意味・読み・例文・類語

て‐から

[連語]接続助詞「て」+準体助詞「から」。近世以降の語》動詞の連用形に付いて、全体で接続助詞のように用いる。
…から後。…以降。「相手に会ってから考えを決める」
…たとしても。…たところで。
「これ皆一つにし―、高で二貫目か三貫目」〈浮・胸算用・二〉
…たりして。…ているが。
「そんなに涙をこぼし―、何ぞ別にくやしいことでもあったのかえ」〈人・英対暖語・八〉
[補説]「から」を格助詞に扱うこともある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「てから」の意味・読み・例文・類語

て‐から

(接続助詞「て」に格助詞「から」の付いたもの) 中世後期以後に見られ、全体で接続助詞のように用いる。
① 「…から後」の意を表わす。
史記抄(1477)八「法臘いくつと云は、僧になってから、夏をいくつ結たと云かずぞ」
② 全体で接続助詞的に働き、逆接の意を表わす。…ても。…したところで。→てからが
※雑俳・千枚分銅(1704)「ただ遣るはだてにしてから出しにくい」
[語誌]動作作用起点を示す格助詞「から」は、平安時代には同じ意味の「より」があるためまれだったが、室町期以降の口語的資料には多く現われる。接続助詞「て」を介して同じく動作の起点ないし単純接続を示す「てから」も発生した。

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