てけり

精選版 日本国語大辞典 「てけり」の意味・読み・例文・類語

て‐・けり

(完了の助動詞「つ」の連用形「て」に過去の助動詞「けり」の付いたもの) 過去に、動作作用の完了していることを表わす。…した。…してしまった。…しておいてある。中世以後は物語中に「てんげり」と発音されることが多い。→てんげり
万葉(8C後)二〇・四四八一「あしひきの八峰(やつを)の椿つらつらに見とも飽かめや植ゑ弖家流(テケル)君」
古今(905‐914)春下・一〇〇「まつ人も来ぬものゆゑに鶯のなきつる花を折りてける哉〈よみ人しらず〉」

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デジタル大辞泉 「てけり」の意味・読み・例文・類語

て◦けり

[連語]《完了の助動詞「つ」の連用形+過去の助動詞「けり」》…てしまった。…てしまったのだった。→てんげり
「猿沢の池に身を投げ―◦けり」〈大和・一五〇〉

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