でこまわし

改訂新版 世界大百科事典 「でこまわし」の意味・わかりやすい解説

でこまわし

人形遣い一種で,胸に箱をつり,その中の人形をまわしてみせる門付(かどづけ)の祝福芸能者。木偶(でく)回し,箱まわし山猫まわし,首掛人形などとも称する。室町時代末期には夷舁き(えびすかき)と呼ばれる場合が多く,主要芸能は人形による猿楽能や夷舞であったが,その遣う人形をデクノボウ,でくる坊,どうこの坊などと呼んだことから,江戸時代には〈でこまわし〉〈木偶回し〉と俗称された。本来2人一組で春の町を門付して歩き,1人が3体ぐらいの人形を遣う。最後に山猫人形を出して子どもを驚かす演出もあり,山猫まわしはこれからの名称である。人形芝居でも人形をでこ・木偶と称するところから,それを遣うことを〈でこをまわす〉とか〈木偶をまわす〉とか称する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「でこまわし」の解説

でこまわし

徳島県郷土料理サトイモの味噌田楽。串を回しながら焼く様子阿波人形浄瑠璃の「でこ(人形)」を連想させることから、こう呼ばれる。

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