でんでん物（読み）デンデンモノ

デジタル大辞泉

でんでん‐もの【でんでん物】

⇒義太夫ぎだゆう狂言

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

でんでん‐もの【でんでん物】

〘名〙 (「でんでん」は義太夫節の三味線の音) 歌舞伎脚本で、人形浄瑠璃から移入し、常に「ちょぼ」を伴う作品をいう。義太夫狂言。丸本物。竹本劇。丸本歌舞伎。

※蓼喰ふ虫（1928‐29）〈谷崎潤一郎〉一一「でんでん物の旧劇は民衆的であると云へる」

出典　精選版 日本国語大辞典

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

でんでん物
でんでんもの

義太夫狂言の別称。丸本物，丸本歌舞伎ともいう。義太夫節の太棹の三味線の音がでんでんと聞えるところからその名が起った。人形浄瑠璃の戯曲を歌舞伎化した演目をさし，正徳5 (1715) 年『国性爺合戦』が歌舞伎で上演され成功を収めてから，多くの浄瑠璃がただちに歌舞伎化され，ことに享保～宝暦年間 (16～64) には頂点に達した。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

改訂新版　世界大百科事典

でんでん物 (でんでんもの)

→丸本物

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

世界大百科事典（旧版）内のでんでん物の言及

【丸本物】より

…義太夫狂言。院本（いんぽん）物，義太夫物，竹本劇，でんでん物(太棹三味線の音からとる)，丸本歌舞伎(戸板康二の造語)などの別称がある。人形浄瑠璃で演じた作を歌舞伎に移行したものである。…

※「でんでん物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」