とこそ

精選版 日本国語大辞典 「とこそ」の意味・読み・例文・類語

と‐こそ

(格助詞「と」に係助詞「こそ」の付いたもの)
① 「と」の意を強調して表わす。
古事記(712)上「屎(くそ)(な)すは、酔ひて吐き散らす登許曾(トコソ)〈此の三字は音を以ゐる〉我が那勢の命、如此(かく)為つらめ」
② (命令形に付いて) 命令の意を重々しく強めて表わす。謡曲で多く用いられる。
※謡曲・丹後物狂(1430頃)「急いで立てとこそ、いやいやえ罷り立つまじ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「とこそ」の意味・読み・例文・類語

と‐こそ

[連語]《格助詞「と」+係助詞「こそ」》
「と」の意を強調する。
「おいらかに鬼―向ひゐたらめ」〈帚木
(命令形に付いて)命令の意を強調する。→とぞ
「いかに罪人、急げ―」〈虎明狂・瓜盗人

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android