どうしても(読み)ドウシテモ

精選版 日本国語大辞典 「どうしても」の意味・読み・例文・類語

どう‐しても

〘副〙 (副詞「どう」に、動詞「する」の連用形「し」、助詞「ても」が付いてできたもの) ある事柄が、さまざまに、または十分に考慮された上での判断を示す。どのようにしても。何としても。どうしたって。
① どのようなやりかたをしても。
(イ) 否定の表現でないもの。かならず。
四河入海(17C前)六「所詮さある時は、どうしても去る程にぞ」
※二百十日(1906)〈夏目漱石〉一「あの音を聞くとどうしても豆腐屋の昔が思ひ出される」
(ロ) 強く否定するもの。ぜんぜん。
※虎明本狂言・財宝(室町末‐近世初)「身共はだうしてものがれぬ、よの人をたのめ」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「解らないナ。どうしても解らん」
② 断定的に強調する。どう考えてもまことに。まちがいなく。
狂歌卜養狂歌集(1681頃)冬「としの矢のかずは三十三間の堂(ダウ)してもはやく過る光陰」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一一「どうしても天才肌だ」
③ どうあっても。ぜひとも。
人情本春色梅児誉美(1832‐33)初「どふも皈(けへ)しともねへようだが、どふしても皈らざアなるめへのウ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「どうしても」の意味・読み・例文・類語

どうして‐も

[副]
どう努力してみても。どんな径路をたどっても。「どうしても納得できない」「駅まではどうしても一時間はかかる」「どうしても話題がそこにいく」
強い決意願望を表す。どのようにしてでも。ぜひとも。絶対に。「どうしても成功させたい」「どうしても負けたくない」
[類語](1どうも到底とうてい何としてもまず何等なんら全然全く一向さっぱりまるきりまるで少しもからきしちっとも皆目一切まるっきりとんといささかも毫も微塵も毛頭更更何もなんにも何一つ一つとして全くもってどだいてんで寸分一寸寸毫毫末夢にも/(2強いて敢えてむりやり努めてできるだけ極力なるたけなるべく可及的必ずきっと絶対是非何としても何が何でも是が非でも押してたってどうぞどうかくれぐれも願わくはなにとぞなんとかまげてひとつ必ずや必然必定必死不可避誓っててっきり違いないはず決まってすなわち否が応でも否でも応でもいやでもいやとも是非とも平になにぶんしんからこころから衷心返す返すとくととっくり重ね重ね無理無理算段無理無体無理押し無理強制的強引強気強行独断独断的理不尽強硬頑強問答無用強要力尽く力任せ腕尽くごり押し断固一刀両断横柄威圧的否応無し頑として横紙破り横紙を破る有無を言わせず腕力に訴える横車を押す押し付けがましいねじ伏せる首に縄を付ける遠慮会釈もない遠慮高圧的高飛車頭ごなし押し通す押し付ける一方的豪腕

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