デジタル大辞泉
「どろどろ」の意味・読み・例文・類語
どろ‐どろ[副・名]
[副]
1 遠くの方で鳴りわたる雷や大砲などの音を表す語。「遠くでどろどろ(と)雷鳴がとどろく」
2 大勢の人が一度に騒がしく移動するさま。どやどや。ぞろぞろ。
「紳士の一行が―と此方を指して来る容子を見て」〈二葉亭・浮雲〉
[名]歌舞伎下座音楽の一。大太鼓を長ばちで打つもの。幽霊・妖怪などの出現、また、人物が正気を失うとき、夢からさめるときなどの場面に用いる。打ちかたによって、どろどろ・薄どろ・大どろの別がある。どろん。
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どろ‐どろ
[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 雷や大砲などが鳴り響く音、車馬などが音を響かせて往来するさまなどを表わす語。また、
地鳴りなど不気味な音などを表わす語。
※玉塵抄(1563)四九「
疾雷ははたたかみなりのことぞ。どろどろしづかに鳴ではないぞ。にわかにはためいて物のわれくだくるやうになるを云ぞ」
② 大勢群がり集まり、往来するさまを表わす語。ぞろぞろ。どやどや。
※談義本・
当世下手談義(1752)二「八人連の兄弟。どろどろと這入て」
[2] 〘名〙 歌舞伎下座音楽の一つ。幽霊・妖怪・変化などの登場や、人物が正気を失う時、また、夢からさめる時の場面転換などに用いる大太鼓の
囃子のこと。古くは幽霊太鼓といった。大太鼓を長ばちではじめ小刻みに、次第に高く打つ。その打ち方により、大どろどろ・薄どろどろ・
修羅の別がある。どろん。
※歌舞伎・幼稚子敵討(1753)六「随戸平奴の形、
金比羅の樽を持出る。此間どろどろ。幕開く」
どろ‐どろ
[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある) 物が
流動体・粘液状になっているさまを表わす語。「とろとろ」にくらべ、濁っていて、よごれた
感じを表わす。
※杜詩続翠抄(1439頃)一九「暖かにとろとろとした泥中には艸が繁茂した」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三「えまし麦に海苔のどろどろ交ったのさ」
[2] 〘形動〙 (一)に同じ。
※雑俳・川傍柳(1780‐83)初「どろどろの手をとり孔子よまゐ事」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報