なのに

精選版 日本国語大辞典

な‐のに

[1] (形容動詞の連体形語尾、または断定の助動詞「だ」の連体形「な」に接続助詞「のに」の付いたもの) …であるのに。…だけど。

※藪の鶯（1888）〈三宅花圃〉八「夫婦同士(どし)だきついてをどってこそ、面白くも楽しくもありさうなものなのに」

[2] 〘接続〙 (「それなのに」の「それ」が省略されたもの) 前の事柄に対し、後の事柄が反対・対立の関係にあることを示す。それなのに。だのに。「よく寝た。なのに眠い」

※吉里吉里人（1981）〈井上ひさし〉七「マスコミが〈略〉騒ぐはずだ。なのに『吉里吉里病院』という固有名詞がこれまでに一度も人びとの話頭にのぼったことがないのはなぜだろう」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

な‐のに［連語］

［連語］《断定の助動詞「だ」の連体形または形容動詞の連体形活用語尾＋接続助詞「のに」》…にもかかわらず。…だけれども。「来たばかりなのにもう帰るのか」「体つきはきゃしゃなのに丈夫な人だ」

な‐のに［接］

［接］《接続詞「それなのに」の「それ」が省略されたもの》前述の事柄に対し、あとの事柄がそれと矛盾する内容であることを示す。「彼は三時に来ると言った。なのに来なかった」

出典　小学館