なよやか(読み)ナヨヤカ

デジタル大辞泉 「なよやか」の意味・読み・例文・類語

なよ‐やか

[形動][文][ナリ]柔らかくなよなよしているさま。
瑠璃珊瑚を鏤めた金冠の重さに得堪えぬ―な体」〈谷崎刺青
[派生]なよやかさ[名]
[類語]なえなえへろへろへたへたよれよれなよなよしなしなくなくなぐにゃぐにゃへなへなふにゃふにゃぶよぶよくにゃくにゃぐにゃっとくにゃっとぐなぐなぐにゃりぐんにゃりぐんなりしなやかふかふかふわふわふわっとふわりふんわりふっくらふくふくぷくぷくぷよぷよぷにぷにしんなりぷるんぷるぷるぷりぷりしこしこ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「なよやか」の意味・読み・例文・類語

なよ‐やか

〘形動〙 (「やか」は接尾語) やわらかく、なよなよとしたさま。やわらかくしなうさま。しなやかなさま。なややか。なよよか。なえやか。なえよか。なよら。なよらか。
狭衣物語(1069‐77頃か)四「殊更になよやかにしなし給へる御衣の音なひは」
[語誌](1)「なよ」は、「なよびか」「なよぶ」と同源か。「なよびか」「なよぶ」は、「源氏物語」では、人物の振舞い・筆跡等の、なよなよとした優美さを賛美して用いられている。これに対し「なよやか」「なよよか」「なよらか」は糊気のない衣服の優美さを賛美するという、限定的用法である。
(2)「なよらか」と「なよよか」に関しては、現存写本では、「なよらか」は僅かで、大部分が「なよゝか」とある。「ら」と繰り返し記号の「ゝ」とは、誤写・誤認されて混同されやすいことを考慮すると、両語はもとは一語であったことが推測される。よって「なよやか」は、「なよらか」の「らか」と「やか」が交替した形として、南北朝期前後に発生したことが考えられる。

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