デジタル大辞泉
「ぬっくり」の意味・読み・例文・類語
ぬっくり
[副]
1 あたたかそうなさま。ぬくぬく。
「嫁の手織を―と着る」〈住吉みやげ〉
2 あつかましいさま。ぬけぬけと。
「右大将の威をかって、御辺―とまらんとや」〈浄・嫗山姥〉
3 うまく事を行うさま。
「御褒美恩賞方図は知れぬ。是を―と持たせて置く」〈浄・振袖始〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ぬっくり
[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 物に覆われたりして暖かそうに見えるさまを表わす語。ぬくぬく。
②
周囲をはばからず、図太いさま、あつかましいさまを表わす語。ぬくぬく。
※俳諧・曠野(1689)五「ぬっくりと
雪舟に乗たるにくさ哉〈
荷兮〉」
※
浄瑠璃・
平家女護島(1719)四「平家を亡せ入道を殺せなんど、
俊寛を始人をかたらひ、ぬっくりとしたことたくまれし」
③ 財物などが豊かで思うままであるさま、思う存分であるさまを表わす語。
※浄瑠璃・日本振袖始(1718)三「帝へ上れば御褒美恩賞方図は知れぬ。是れをぬっくりと持たせて置く」
[2] 〘名〙 ((一)①から転じて) ぼんやりした者。まぬけ。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報