ねり

精選版 日本国語大辞典 「ねり」の意味・読み・例文・類語

ねり

〘名〙
植物とろろあおい(黄蜀葵)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
② 植物「にれ(楡)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

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百科事典マイペディア 「ねり」の意味・わかりやすい解説

ねり

和紙を流し漉(ながしずき)するときに使う植物粘質物。製紙用糊料とも。紙料液に加えて粘性を高め,コウゾミツマタなどの長繊維の急速な沈降防ぎ,均等に分布させ,からみ合いをよくする。流し漉した湿紙は,じかに多数積み重ねて,圧搾脱水後1枚ずつはぎ乾燥させるが,ねりは湿紙を積み重ねておく間に粘着性を失い,上下の紙が密着するのを防ぐ作用ももつ。トロロアオイの粘質物が常用され,特殊の場合にノリウツギの粘質物が使われる。
→関連項目溜漉流漉和紙

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世界大百科事典(旧版)内のねりの言及

【和紙】より

楮紙は最も強靱であり,雁皮紙は光沢のある,平滑なきめ細やかさをもち,三椏紙は紙の腰が柔軟で,優美な紙である。製法の第2の特色は,〈ねり〉を使用した〈流し漉き〉にある。ヨーロッパ等に伝わる〈溜め漉き〉では,原料に木綿の古布などをほぐしたものを使い,水に入れた原料を金網で静かにすくい取る。…

※「ねり」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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