ひらひら

精選版 日本国語大辞典

ひら‐ひら

[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)

① 鳥や蝶など、また紙・布・葉など薄いものが空中にひるがえるさまや小刻みにゆれ動くさまを表わす語。

※今昔（1120頃か）二七「此の板俄にひらひらと飛て」

② きらめき輝いたり、炎がゆれ動いたりするさまを表わす語。ぴかぴか。

※今昔（1120頃か）二〇「猪の牙を食出たるが、石をはらはらと食ば、火ひらひらと出て」

③ 舌を出して動かすさまを表わす話。びろびろ。

※今昔（1120頃か）三「虵の頭九を指出でて、舌なめづりをひらひらとして有れば」

④ 身軽にあちこち動くさまを表わす語。

※古事談（1212‐15頃）六「袖引ちがへて庭に出て、ひらひらとねりて」

⑤ 手軽に事が行なわれるさまを表わす語。たやすく。

※浮世草子・夫婦気質（1751‐64頃）下「手は悪くともひらひら読める様に書可_レ被_レ越候」

[2] 〘名〙

① 軽くひるがえる薄いもの。布様のものの小片。

※人情本・花筐（1841）二「白縮緬に藍絞りの湯もじのひらひらをうち詠めて」

② ＝ぴらぴらの簪(かんざし)

※洒落本・まわし枕（1789）「『違いだなにひらひらがあるから持ってきや』〈略〉ひらひらとはかんざしの事」

[補注]古い文献の「ひらひら」は、「びらびら」「ぴらぴら」との区別が判然としないが、便宜上本項に収めた。

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

ひら‐ひら

［副］(スル)
１ 薄くて軽いものが揺れ動くさま。「花びらがひらひら（と）舞い落ちる」「ハンカチをひらひら（と）させる」
２ 光がひらめいたり、炎が揺れ動いたりするさま。
「霊剣を抜かせ給ひければ、夜のおとど―として電光にことならず」〈平家・一一〉
［名］軽くひるがえる薄い物。「レースのひらひらのついたブラウス」
［アクセント］はヒラヒラ、はヒラヒラ。
[類語]（1）ちらりほらり・ほろり・はらり・ぱらぱら・ふわふわ・ひらり・片片へんぺん・ふらりふらり・ふらふら・ぶらぶら・ゆらゆら・びらびら・ぴらぴら・ひらりひらり・はたはた・ぽっかり・ぷかりぷかり・ぷかぷか・どんぶりこ・どんぶらこ・浮き沈み・浮遊・たゆたう・浮かぶ・漂う・浮く・浮揚・舞う・ふわり・ふわっと・ふんわり

出典　小学館