ふんだん(読み)フンダン

デジタル大辞泉 「ふんだん」の意味・読み・例文・類語

ふん‐だん

[形動][文][ナリ]《「ふだん(不断)」の音変化》絶え間なく続くさま。転じて、あまるほど多くあるさま。豊富。「金はふんだんに使える」「ふんだん資源
[類語]たんとごまんとわんさとうんとたっぷりなみなみたくさん一杯十分しっかりがっつり思い切り思う存分夥しい多く数数かずかず多数数多すうた無数多量大量大勢おおぜい大挙多勢多人数大人数衆人莫大膨大巨万豊か潤沢無尽蔵山ほど盛り沢山がっぽりがっぽがっぽ多め幾多過多最多多作あまた多多いくらもいくらでもざらにごろごろどっさり十二分に豊富に腐るほどしこたまたんまり仰山ぎょうさん多め数知れない数知れぬ数え切れない十指に余る枚挙にいとまがない掃いて捨てるほど

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精選版 日本国語大辞典 「ふんだん」の意味・読み・例文・類語

ふん‐だん

〘名〙 (形動) (「ふだん(不断)」の変化した語)
① 絶え間ないこと。絶えないこと。とめどのないこと。
懺悔録(1632)「ヂョ ヂュウ fundan(フンダン) ノ モノガタリ」
② (絶え間なく続くことの意から) ゆたかなさま。ありあまるさま。たくさん。ふんだく。
※志不可起(1727)「ふんだん 物のたくさんなるを云は不断の字にて、たへず有の心なるべきかを、田舎などにふんだんとあやまりたるか」
[語誌](1)①は「かた言」に記されるように「ふだん(不断)」の訛りであることは、挙例の「懺悔録」からも明らかである。
(2)②は、挙例の「志不可起」の説くように「不断」の訛形が意味変化したものと解釈する立場が一般的である。しかし、②の意では、他にフンダ、フンダクといった語形もあり、特にフンダクは浄瑠璃の作品などに見ることができる。「物類称呼‐五」(一七七五)では、フンダンを江戸辺りの方言形としている。このようなことをふまえると、②は「不断」とは関係なく、江戸辺りの方言形が広く通用するようになったものとも考えられる。

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