べたべた

精選版 日本国語大辞典 「べたべた」の意味・読み・例文・類語

べた‐べた

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 物のくっつくさま、ねばりつくさまを表わす語。
※詞葉新雅(1792)「べたべたとふる。はだれふる雪霜ニヨメリ又すだれとも」
② 必要以上にまといつくさまを表わす語。甘えるさま、男女人前でからみついて離れないさまなど。
※評判記・満散利久佐(1656)竹山「やはらかに。べたべたとしたるは、先師高天(たかま)が風に、もとづくとみえたり」
絵の具ペンキなど粘液状のものを濃く塗りつけるさまを表わす語。厚化粧のさまにもいう。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)三「あんまりべたべたと化粧したのも、助兵衛らしく」
④ いたるところに物をはったりつけたりするさまを表わす語。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉二六「首の周囲(まはり)に斑々(ベタベタ)膏薬を貼着けて」
⑤ やたらに印判、スタンプなどを押すさまを表わす語。
※花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉下「無智の人民がベタベタ印形を押した献言書などは」
⑥ 平たいものが当たる音を表わす語。
日本橋(1914)〈泉鏡花〉六七「小僧はべたべたと土間を這ふ」
⑦ =へたへた(一)
女工哀史(1925)〈細井和喜蔵〉七「再び布団の上にベタベタと崩れる様に倒れてしまった」
[2] 〘形動〙 (一)に同じ。
社会百面相(1902)〈内田魯庵〉犬物語「忽ち疲れて、ベタベタに閉口して了う」
[3] 〘名〙 「べたべたの餠(かちん)」の略。
御湯殿上日記‐天正一七年(1589)一二月一五日「あわ、へたへたにて一こんまいる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「べたべた」の意味・読み・例文・類語

べた‐べた

[副](スル)
物が粘りつくさま。「汗でシャツがべたべた(と)くっつく」
機嫌をとったり、甘えてまといついたりするさま。「人前で男女がべたべた(と)する」
一面に塗りつけるさま。「おしろいをべたべた(と)塗る」
物を一面にはりつけるさま。「膏薬こうやくべたべた(と)はる」
印などをやたらと押すさま。「朱印べたべた(と)押す」
一面に書くさま。「壁にスローガンべたべた(と)書く」
[形動]に同じ。「汗で体中べたべたになる」
アクセントタベタ、はベタベタ
[類語](1粘っこい粘る粘つく粘りつくべたつくべとつくねばねばべとべとねとねとねっとりどろどろとろとろどろりにちゃにちゃねちねち粘り粘り気粘性/(2いちゃつくあつあついちゃいちゃラブラブべたつく戯れる戯れじゃらじゃら

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