ほうと（読み）ホウト

デジタル大辞泉

ほう‐と

［副］
１ ため息をつくさま。「ほうと大きく息をつく」
２ ほのかに明るくなったり、顔に赤みがさしたりするさま。
「―心が明るくなった」〈康成・招魂祭一景〉
３ 勢いよく物を投げたり、突いたりするさま。
「轅ながえ―うちおろすを」〈枕・二五〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ほう‐と

〘副〙 (「ほうど」とも)

① 勢いよく物を投げたり、突いたり、飛んだりするさまを表わす語。ぽんと。

※枕（１０Ｃ終）二五「車宿りにさらにひき入れて、轅(ながえ)ほうとうちおろすを」

※虎寛本狂言・棒縛（室町末‐近世初）「胸板をほうど突き、たじたじたじとする所を」

② 溜息をつくさまを表わす語。

※俳諧・炭俵（1694）上「うぐひすにほうと息する朝哉〈嵐雪〉」

③ ＝ぼうっと①

※招魂祭一景（1921）〈川端康成〉「ほうと心が明るくなった」

④ ＝ほっと②

※俳諧・独吟一日千句（1675）第七「浜松の声をあけてや馬かさう 砂道三里はうと致した」

出典　精選版 日本国語大辞典