まざまざ(読み)マザマザ

デジタル大辞泉 「まざまざ」の意味・読み・例文・類語

まざ‐まざ

[副]
まるで目の前にあるかのようにはっきりとしているさま。ありあり。「あのときの事がまざまざとまぶたに浮かぶ」
ある事を確かな事実として、身にしみて感じるさま。はっきり。つくづく。「自分力不足まざまざ(と)思い知らされる」「現実の厳しさをまざまざ(と)見せつけられる」
まことしやかに。巧みに。うまうまと。
「知れてある年を―と五つ隠されし」〈浮・二十不孝・一〉
[類語]明らかはっきりありありさやか定かくっきりしかきわやか鮮やか明瞭めいりょう鮮明分明顕著顕然歴然歴歴瞭然りょうぜん亮然りょうぜん判然画然かくぜん截然せつぜん見るから明快平明簡明明晰明白明明白白端的めっきり浮き彫りクリア明確明解自明彷彿鮮烈一目瞭然手に取るようたなごころを指すまがう方ない隠れもない火を見るよりも明らか目に見える言わずと知れた紛れもない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「まざまざ」の意味・読み・例文・類語

まざ‐まざ

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 目の前に見るようなさま、まがう方なく明瞭であるさまを表わす語。まさしく。現実に。ありあり。
※玉塵抄(1563)一一「面欺はめの前まざまざと欺く心ぞ」
俳諧・独こと(1718)下「まざまざといますがごとしたままつり
② それとはっきりしていること、わかりきっていることを、まことしやかにするさまを表わす語。ぬけぬけ。
浮世草子本朝二十不孝(1686)一「今年廿六なるを三十一になりますと、知れて有年をまざまざと五つ隠されし」
③ よくない事や意に反する事がまさしく現実になるさま。どうにもできないうちに、また、何もしないままに事が実現する場合にいう。みすみす。いたずらに。
※浮世草子・武道伝来記(1687)三「瓢箪をもって来れば、まざまざと水を飲では死(しな)ぬ物をと悔む」

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