めの字(読み)めのじ

精選版 日本国語大辞典 「めの字」の意味・読み・例文・類語

め‐の‐じ【めの字】

〘名〙
① 語頭が「め」の音であることばを省略して符帳のようにいった語。
(イ) 飯(めし)食事
人情本・春色辰巳園(1833‐35)初「なぞとやった気恥かしいじゃアねへか、マアめの字(ジ)にしてへの」
(ロ) 妾(めかけ)
※雑俳・柳多留二三(1789)「めの字からへの字に成るとつけ上り」
② 二の異称。目は二つあるところから、しゃれていったもの。
※雑俳・柳多留‐一四六(1838‐40)「夕薬師瑠璃蕣の直もめの字」
③ 五の異称。また、「五十」「五百」などにもいう。魚屋八百屋・料理人や遊里の妓夫(ぎゅう)などの語。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)四「一昨日は鰹が頭で『だりかれん(〈注〉四百五十文)』。落(おち)イ行て『やっこ(〈注〉二百五十文)』位なやつが、けふは頭で『ばんどう(〈注〉八百文)』から上だ。落で『めの字(ジ)(〈注〉五百文)』位よ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「めの字」の意味・読み・例文・類語

め‐の‐じ【めの字】

《「め」ではじまる言葉を省略して、符丁ふちょうのようにいった語》
めし。食事。
「まあ、―にしてえの」〈人・辰巳園・初〉
めかけ。→への字2
「―からへの字になるとつけ上がり」〈柳多留・二三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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