やわら

精選版 日本国語大辞典 「やわら」の意味・読み・例文・類語

やわら やはら

〘副〙 静かに動いたり、徐々に事を行なったりするさまを表わす語。おもむろに。やおら。
※青表紙一本源氏(1001‐14頃)薄雲「心つきなうぞおもほしなりぬる。やはらづつ引きいり給ぬるけしきなれば」
今昔(1120頃か)五「女共の昼寝したる程に、和ら起て所々を見るに」
[語誌](1)「今昔」に「和ら」と書かれた例がいくつか見えることなどから、「やわら(柔)」と同源の語と考えて、通常、歴史的かなづかいは「やはら」とするが、「やおら」と同源の語とも考えられる。
(2)一一世紀中期以後日常語として勢力を得、文章語の「やをら」と対立しながら近世前期頃まで盛んに用いられたが、一七~一八世紀頃からは衰退して、「やをら」が勢力を得るようになり、現代に至っている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「やわら」の意味・読み・例文・類語

やわら〔やはら〕

[副]静かに。そっと。徐々に。やおら。
「―たち退かせ給ひにけり」〈大鏡・道長上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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