よき愛の書(読み)よきあいのしょ(英語表記)El libro de buen amor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「よき愛の書」の意味・わかりやすい解説

よき愛の書
よきあいのしょ
El libro de buen amor

スペインの詩人フアン・ルイスの物語詩集。 1330年頃成立。 1728連の詩句から成りラテン,フランス,イタリアなどの寓話改作聖母への賛歌など雑多な要素をもつ。作品の中心は,自堕落な恋愛遍歴を語った自伝体の物語にあり,社会の底辺に生きる人物像を写実的に描いて,のちの『セレスティーナ』,悪者小説などの先駆的作品とされ,中世スペイン文学最大の傑作とみなされている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android