わし座(読み)わしざ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「わし座」の意味・わかりやすい解説

わし座
わしざ / 鷲座

夏の宵の中天に見える星座。目をひくのは1等星アルタイルで、これは七夕(たなばた)の牽牛星(けんぎゅうせい)としておなじみのものである。天の川西岸のほうには織女星ベガがあり、これにはくちょう座の1等星デネブを結ぶと、夏の宵の頭上に巨大な「夏の大三角」を描き出すのでみつけやすい。α(アルファ)星アルタイルの名の意味は「飛ぶワシ」で、α星の両側にあるβ(ベータ)星とγ(ガンマ)星を結んで、翼を広げて飛ぶ鳥、またはワシの姿に見立てたところからきている。ちなみに、こと座の織女星ベガの名の意味は「落ちるワシ」で、近くの星と結んで翼を畳んで降りる鳥の姿にみたところからきている。ギリシア神話では、大神ゼウスが美少年ガニメデスをさらってくるとき変身したワシとされている。

[藤井 旭]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「わし座」の意味・わかりやすい解説

わし座
わしざ
Aquila

鷲座。9月の宵に南中する銀河の中にある星座。概略位置は赤経 19時 30分,赤緯2°。α星アルタイルは七夕の牽牛星にあたり,最近星の一つ。η星はケフェウス座δとともに最初に発見されたケフェウス型変光星周期 7.2日,変光範囲は 3.7等から 4.4等である。

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