わやく(読み)ワヤク

デジタル大辞泉 「わやく」の意味・読み・例文・類語

わやく

[名・形動]《「おうあく(枉惑)」の音変化》
無理を言ったりしたりすること。また、そのさま。
「随分―も遠慮なしに仰せらるる」〈露伴・寝耳鉄砲〉
子供などが悪ふざけをすること。また、そのさま。わんぱく。やんちゃ。
「そりょう持って―をしちゃあいけんちゅうのに」〈鴎外ヰタ‐セクスアリス
聞きわけのないこと。わがままなこと。また、そのさま。
「あれほど―な捨様でも、東京へ出て修業すればこれだ」〈藤村・桜の実の熟する時〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「わやく」の意味・読み・例文・類語

わやく

〘名〙 (形動) (「おうわく(枉惑)」の変化した語)
道理に合わないこと。無理を言ったりしたりすること。また、そのさま。無茶。非道。わわく。
日葡辞書(1603‐04)「ワヤクモノ、または、Vayacuna(ワヤクナ) モノ」
咄本醒睡笑(1628)四「侍ほどの人料足なくは、くふまじきにてこそあらんめ。とかくわやくなり」
② 聞きわけがないこと。わがままであること。また、そのさま。
歌舞伎阿闍世太子倭姿(1694)一「わやくをおっしゃる時が有」
※寝耳鉄砲(1891)〈幸田露伴〉三〇「わやくも遠慮なしに仰せらるるものの」
③ 悪ふざけをすること。いたずらをすること。また、そのさま。
評判記色道大鏡(1678)五「又隣家町内遠類なとの内に、それしゃのわやくなるありて」

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