アウストラロピテクス・アファレンシス(英語表記)Australopithecus afarensis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アウストラロピテクス・アファレンシス
Australopithecus afarensis

猿人一種。 1970年代の終りに,アメリカ人類学 D.C.ヨハンソンらによってエチオピアのアファールとタンザニアラエトリから発掘された,原始的な猿人の化石もとに命名された。アウストラロピテクス類なかで,最も古い段階に位置づけられている。ルーシー愛称で知られるアファール出土の女性骨格はこの種に属する。

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世界大百科事典(旧版)内のアウストラロピテクス・アファレンシスの言及

【猿人】より

…便宜上ここでは,通称による次の4区分に従う。
[アファール猿人]
 比較的新しく1978,79年に,D.ヨハンソンとT.ホワイトが,エチオピア北東部アファール三角地帯にあるハダールと,タンザニア北部のレトリ(旧称レトリル)で発見された化石をもとに,全容を報告した猿人で,学名はアウストラロピテクス・アファレンシス。今から三百数十万年前までさかのぼる古い時期の猿人である。…

【人類】より

…1400万年前のラマピテクスがヒト科の一員だとすれば,人類が大型類人猿との共通先祖から分かれたのは,おそらく2000万年前の昔にさかのぼるが,これにたいして,ラマピテクスをオランウータン科に入れたり,独立した科とみて,ヒト科とオランウータン科の分岐年代を新しくみる人たちがいる。この一派の根拠は,最古の猿人である鮮新世のアウストラロピテクス・アファレンシスにヒト的特徴とともに類人猿的特徴が共存し,400万年前のこの猿人以前にヒト的特徴を示す化石が発見されていないこと,中新世前期のプロコンスルが現生の大型類人猿の直接の先祖であるという従来の説に疑問があること,現生霊長類の系統関係についての血清学的検討から,ヒトと最も近縁なチンパンジー,ゴリラとヒトの分岐年代は1000万~500万年前と推定されることなどであるが,最も重要な根拠はラマピテクスの化石そのものの研究から提出されている。すなわち,ラマピテクスは歯や顔面の形態で同時代のシバピテクスとよく似ているところから両者はごく近縁と考えられ,ともに現生のオランウータンへの進化系列に位置するとする。…

※「アウストラロピテクス・アファレンシス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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