アクアビット

デジタル大辞泉 「アクアビット」の意味・読み・例文・類語

アクアビット(〈デンマーク〉・〈スウェーデン〉akvavit)

ラテン語で命の水の意》スカンジナビア産の蒸留酒ジャガイモなどを原料とし、キャラウェーなどで香りをつける。アカビット

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改訂新版 世界大百科事典 「アクアビット」の意味・わかりやすい解説

アクアビット

スカンジナビア諸国の国民酒ともいうべき無色蒸留酒。〈生命の水〉を意味するラテン語aqua vitaeの転じた語で,スウェーデンノルウェーでaquavit,デンマークakvavitなどとつづる。別名シュナップスといい,ドイツ,オランダでも造られる。スウェーデンでは15世紀から造られており,デンマークではそれ以前のものと推定される蒸留機が発掘されたという。ジャガイモを原料としてこれを麦芽糖化発酵後,精留して得たスピリッツに,キャラウェーを主にしてコリアンダーフェンネルその他の香草類,レモンやオレンジのピール(果皮)などを加えて再留する。着色をきらうので,樽に貯蔵しての熟成は行わない。アルコール分40%前後。デンマークではかつてはライムギコムギを原料としていたが,いまはほとんどジャガイモを用いている。味は,デンマークのものが辛口,スウェーデンは甘口,ノルウェーはその中間といった傾向をもつ。冷やしてストレートで飲むことが多いが,カクテルベースとしても用いられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アクアビット」の意味・わかりやすい解説

アクアビット
あくあびっと
aquavit

デンマーク、ノルウェー、スウェーデンなどスカンジナビア諸国でつくられるアルコール分40~45%のスピリッツ。この名前はラテン語のaqua vitae(生命の水)からきている。原料のジャガイモやライムギを麦芽で糖化し、発酵させる。蒸留は連続蒸留機によって95%の純正なアルコールをとる。これを約60%に薄め、キャラウェーの実を主とした草根木皮を加えて、ポットスチルで蒸留する。

[秋山裕一]

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飲み物がわかる辞典 「アクアビット」の解説

アクアビット【aquavit】


北欧諸国に産する蒸留酒。じゃがいもまたは小麦が原料で、キャラウェイやフェンネルの香味をつける。ふつう無色透明で、冷やしてストレートで飲むほか、カクテルに用いる。アルコール度数は40~45度。◇「生命の水」の意のラテン語「aqua vitae」から。

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百科事典マイペディア 「アクアビット」の意味・わかりやすい解説

アクアビット

スカンジナビア諸国でつくられる蒸留酒。ラテン語aqua vitae(生命の水)が語源。15世紀以前からある。ジャガイモ(もしくはライムギ)を原料とし,麦芽で糖化,発酵させる。無色,アルコール分40〜45%。

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栄養・生化学辞典 「アクアビット」の解説

アクアビット

 スカンジナビア地方の蒸留酒で,穀類,ジャガイモを原料とし,麦芽で糖化して発酵,蒸留し,キャラウエイなどで香味づけをし,再蒸留して作る酒.

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世界大百科事典(旧版)内のアクアビットの言及

【蒸留酒】より

…連続式蒸留機の蒸留酒は,アルコールの純度が高まるほど原料の特徴が失われ,酒はソフト化する。グレーンウィスキー,アルマニャックのほか,19世紀初めまでは単式によっていたウォッカ,アクアビット,ライトラム,さらにブレンド用ブランデー,甲類焼酎(ホワイトリカー)などが,現在この型の蒸留機によってつくられている。【菅間 誠之助】。…

※「アクアビット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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