アスファルト舗装(読み)あすふぁるとほそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アスファルト舗装」の意味・わかりやすい解説

アスファルト舗装
あすふぁるとほそう

表面部分にアスファルトで結合した骨材の層をもつ舗装。道路の交通量、交通荷重、路盤支持力などによって、砂利道などに瀝青(れきせい)材を少量用いた簡易なものから高級舗装に至るまで、目的に応じて自由につくれることが、その大きな特徴である。一般的な構成は、アスファルト表層基層と、その下にある上層路盤および下層路盤とからなり、表層と基層は、砕石、砂、石粉とアスファルトを加熱混合し、これを敷きならしてローラーで十分に締め固めたものである。表層は緻密(ちみつ)な組成の配合にし、基層はいくらか粗めにする。

[吉川和広]

 近年では、都市部における気温の抑制や道路騒音の低下などを目的として、アスファルト表層の空隙(くうげき)を多くした高機能舗装が用いられることが多くなった。高機能舗装には、雨水を積極的に地中に浸透させることを目的とした透水性舗装と、路面に滞留する雨水を積極的に排水することを目的とした排水性舗装がある。

[小林潔司]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アスファルト舗装」の意味・わかりやすい解説

アスファルト舗装
アスファルトほそう
asphalt pavement

アスファルトと砕石,砂,石粉といったものの混合物で道路などの表面をおおうこと。これらの材料の組合せによって種々の性質のものができ,目的に応じて簡易なものから高級なものまで自由につくることができる。簡易舗装としては,シールコート,アスファルト・マカダムなどがある。高級舗装は,下から順に,(1) 基礎となる路床,(2) 凍上防止,荷重分散のための路盤,(3) 表層を支持する基層,(4) 交通車両を安全快適に通行させ,摩耗作用に抵抗し,雨水が下部に浸透するのを防ぐ表層,から構成される。材料の組合せによって,アスファルト・コンクリート,トペカ,シート・アスファルト,グース・アスファルトなどが使用される。

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世界大百科事典(旧版)内のアスファルト舗装の言及

【舗装】より

…人や車両の通行に便利なように道路の表面を強化したものをいう。広い意味では砂利道や,防塵処理を施した路面,コンクリート,石,煉瓦などのブロックを並べたものを含めるが,一般には基礎となる路盤および2~3cm以上の厚さの表層をもつアスファルト舗装,または路盤とその上の大きなコンクリート版からなるセメントコンクリート舗装を指す。
[歴史]
 古代バビロニア,古代ギリシアなどの諸都市では石畳による舗装がなされていたが,大規模な舗装は古代ローマに始まる。…

※「アスファルト舗装」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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