アセアン域内特恵関税制度(読み)アセアンいきないとっけいかんぜいせいど(英語表記)Agreement on ASEAN Preferential Trading Arrangements; PTA

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アセアン域内特恵関税制度
アセアンいきないとっけいかんぜいせいど
Agreement on ASEAN Preferential Trading Arrangements; PTA

アセアン域内の貿易拡大のために設立された特恵関税制度。 1977年2月に協定が締結された。主たる内容は,協定対象品目・特恵方法・特恵譲許率 (最恵国税率と特恵税率の差) ・特恵対象資格要件 (原産地規制) の決定,緊急輸入制限措置,交渉推進監督機関の設置などである。この制度は 78年1月より実施されたが,加盟国に非譲許品目を保留する権利を与えたことから,アセアン域内で多量に取引されている生産物で対象となっていない品目が少なくない。 PTA対象品目の貿易額が域内貿易総額に占める割合は5~10%にすぎないという試算もあり,貿易促進に及ぼす効果は必ずしも大きくない。このような問題に対応するため,87年のアセアン首脳会議において,5年間をめどに非譲許品目の縮小,特恵譲許率の 50%までの引き上げなどが合意された。

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