アゼオトロープ

栄養・生化学辞典 「アゼオトロープ」の解説

アゼオトロープ

 共沸混合物ともいう.平衡状態にある液相気相の化学的組成が同じである場合,この混合物としての液体.普通混合物を蒸留すると沸点の低いものから蒸発するため,純度を上げることができるが,アゼオトロープではこれができない.エタノール-水系では,水が4.0%のときアゼオトロープとなるため,蒸留によってはこれ以下の水含量にすることができない.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアゼオトロープの言及

【共沸混合物】より

…しかし,特定の組成をもったある種の溶液では蒸気の組成と溶液の組成とが同じになり,組成変化することなく一定温度(共沸点という)で沸騰し,あたかも純粋液体のごとく振る舞う。この現象を共沸azeotropy(ギリシア語の〈沸点を変えない〉に由来)と呼び,その組成の溶液を共沸混合物(アゼオトロープ)という。この際,共沸がその系の最も低い沸点で起こるか,最も高い沸点で起こるかの2通りの場合が存在し,前者は最低(沸点)共沸混合物,後者は最高(沸点)共沸混合物と呼ばれる。…

※「アゼオトロープ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android