アッブード(英語表記)Abboud, Ibrahim

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アッブード」の意味・わかりやすい解説

アッブード
Abboud, Ibrahim

[生]1900.10.26. モハメッドゴル
[没]1983.9.9. ハルツーム
スーダンの軍人,政治家。ゴードン記念大学を経てハルツームの陸軍士官学校を卒業。 1918年少尉に任官,エジプト軍スーダン中隊に編入,7年間技術将校をつとめたのち,25年スーダン防衛軍創設とともに同輜重 (しちょう) 隊編入。 49年スーダン人としては最初の輜重隊司令となった。将校のスーダン人化推進に伴い,54年陸軍少将に昇進し,スーダン軍総司令官代理に就任。 58年 11月中将のとき自由将校団を中心とする軍の無血クーデターが成功し,推されて最高評議会議長兼首相に就任,国防相を兼任。以後約6年間,憲法を停止し政党を禁止したまま軍部による中央集権的体制を維持し,輸出用農産物の増産計画,工業化計画の推進をはかったが,文民知識人層や一般大衆の反発を招き,64年 10月労働者,学生を中心とする反政府運動 (人民十月革命) の高まりのなかで,ついに政権の座をおりた。

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