アティヤ(英語表記)Atiyah, Sir Michael Francis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アティヤ」の意味・わかりやすい解説

アティヤ
Atiyah, Sir Michael Francis

[生]1929.4.22. ロンドン
[没]2019.1.11.
イギリスの数学者。レバノン人の父とスコットランド人の母をもつ。エジプトのビクトリア・カレッジとケンブリッジ大学トリニティ・カレッジに学び,1955年に博士号を取得。1955年にアメリカ合衆国のプリンストン高等研究IASに招かれたのち,1956~61年ケンブリッジ大学で教鞭をとる。1961年にオックスフォード大学に移り,1963~69年最高位の数学教授職。1990年からはケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ学長およびアイザック・ニュートン数理科学研究所所長。1966年にソビエト連邦モスクワで開催された国際数学者会議で,位相幾何学(→トポロジー)と解析学に関する業績によりフィールズ賞を受賞した。2004年にはアメリカ合衆国のイサドール・シンガーとともにアーベル賞を受賞している。フランスのアレクサンドル・グロタンディーク,ドイツのフリードリヒ・ヒルツェブルーフらと並ぶ K理論の創始者の一人。1963年にシンガーと共同でアティヤ=シンガーの指数定理を証明した。これは楕円型微分作用素の指数と呼ばれる解析的な量を,特性類を用いた位相幾何学的な量で表すものである。アティヤ=シンガーの指数定理リーマンロッホの定理(→リーマン)などを含んでおり,20世紀の幾何学を代表する成果である。アティヤの研究領域は広範な分野にわたっており,複素多様体(→多様体),代数的位相幾何学,代数幾何学複素解析学(→複素変数関数論),ヤン=ミルズ方程式(→ヤン=ミルズ理論)とゲージ理論数理物理学における超弦理論などにおいても著しい業績を上げた。

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百科事典マイペディア 「アティヤ」の意味・わかりやすい解説

アティヤ

英国の数学者。トポロジー,大域解析学等の研究により,1966年フィールズ賞

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