アトラジン

化学辞典 第2版 「アトラジン」の解説

アトラジン
アトラジン
atrazine

2-chloro-4-ethylamino-6-isopropyl amino-1,3,5-triazine.C8H14ClN5(215.69).ゲサプリムともいう.塩基の存在下,塩化シアヌルに各等モル量のエチルアミンイソプロピルアミン順次反応させると得られる.無色粉末.融点175.8 ℃.水溶解度33 mg L-1(20 ℃).アトラジンは光合成電子伝達を阻害する,いわゆるHill反応阻害剤であり,光化学系Ⅱの D1 タンパクに結合して,プラストキノンの結合を阻害することで,除草活性を発揮する.生化学研究用試薬.LD50 3080 mg/kg(ラット経口).[CAS 1912-24-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアトラジンの言及

【除草剤】より

…すなわち,イネには無害であるがメヒシバ,ノビエなどイネ科雑草に効果を示し,広葉雑草に対しても殺草作用を有するので,田植直後の水田除草剤として使用される。トリアジン系除草剤には多数の同族体が開発されており,シマジン,アトラジン,シメトリンなどは畑作,果樹園,非農地の除草に用いられる。とくにシマジン,アトラジンはトウモロコシには殺草活性を示さないことで知られている。…

※「アトラジン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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